ブラス象嵌 エボナイズド レクリトワール /1178-196

1178-196

680,000円(税込748,000円)

在庫状況 在庫1[点]です

購入数

贅を尽くした意匠が見事なレクリトワール(文具箱)。

目を見張るほどの緻密な細工と見事な造形の象嵌細工をもつ19世紀フランスのレクリトワールは、最高級の材を惜しみなく使った最高級品。優雅な小宇宙のような類まれな逸品をご紹介いたします。

「レクリトワール/Ecritoire」とはフランス語で「文具箱」もしくは「インク壺」という意味。

恐らくはインクスタンドがまず在り、その周囲に小物入れのようなお皿がつき、やがてそれを格納するような箱が考案され、ひいては文具全般を収納する箱をそのように呼ぶようになったのではないでしょうか。そして、書き物をするスロープ状の台までが上手く組み込まれるようになってゆきます。このような箱は英国でもみることができ、ライティング・スロープ、もしくはライティングボックス、ステーショナリーボックスなどと呼ばれています。

The Love Letter by Jean-Honoré Fragonard(1732-1806)The Love Letter by Jean-Honoré Fragonard(1732-1806)




主として筆記具をおさめた携帯用の箱は、古代よりあらゆる文化において使われてきました。ただ、フランスのレクリトワールや英国のライティングボックスのように、高度な技巧と工夫をこらしたものが富裕層を中心に多く使われだしたのは18世紀頃からといわれています。凝ったレクリトワールを所有することは、特権階級の愉しみのひとつであったといえるでしょう。



このレクリトワールは、そんななかでも特別に凝ったお品物であるといえます。全体は黒いエボナイズド仕上げですが、奥に杢目を潜ませており、ベースは黒檀であると思われます。このわずかな杢目がニュアンスとなってより深い艶めきをこにレクリトワールに与えているようです。印象的なブラス象嵌はマザーオブパールの真珠色とターコイズ色のエナメルで彩られ、処々に施された赤色はブール象嵌の影響を色濃く感じさせます。蓋を開ければ、内部はバースアイメイプルの化粧張り、そしてスロープ部分は赤い革張り。スロープを開ければ内部は書類いれとなっており、大切な書類や手紙を仕舞っていたと思われます。

上部にはレターラック、インク壺、小物入れ、ペン入れが設えられており、どれもが調和を保ちながら美しく納まる様は、見る者の心を捉えずにはいられません。贅沢な仕様から、富裕層や貴族の持ち物であったことが推測できます。


どんな紳士やレディがこのレクリトワールを使っていたのでしょうか。

実際にお使いいただくのはもちろん、ディスプレイしておくだけで、19世紀フランスの優雅な世界をお愉しみいただけます。



■フランス
■主素材:黒檀にエボナイズド仕上げ・内部バーズアイメイプルに革張り
■推定製造年代:1890年代
■サイズ(最小時):幅34/奥行30.8/高さ20.3cm
■展開した場合:最大高さは約29cm、最大奥行きは約58cm
■こちらのお品物はアンティークです。新品家具にはない小傷や歪み等がございます。アンティーク家具の特性につきましてはこちらをご一読ください。

レクリトワールについて、スタッフブログで詳細をご説明しております。どうぞこちらからご覧ください。
https://ameblo.jp/pancada/entry-12520957091.html