トニーウッド トビージャグ/1208-124/高さ14.7cm

12,000円(税込13,200円)

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英国から来た可愛らしいトビージャグのご紹介です。



トビージャグとは、もともとはビール(もしくはエール)ジャグで、座って飲む男性の姿をかたどっており、三つ折り帽とフロックコート、パイプとなみなみとビールが入ったマグをもっている・・・というのが、お定まりのスタイル。


18世紀から見られるもので、名前の由来は諸説あります。かつて2000ガロン(1ガロン約4.5リットルとすると9000リットル!!?)ものエールを飲み干したといわれる「Toby Fillpot」をモデルとしたというもの。ちなみにこの「Toby Fillpot」は、1761年発表のイングランドの酔歌「The Brown Jug」にも歌われています。

また、シェイクスピアの「12夜/Twelfth Night」にでてくる大酒のみの「サー・トビー・ベルチ/Sir Toby Belch」からの名前、という説もございます。

どちらにしても、大酒のみのご仁をモデルにしたキャラクタージャグで、英国の美術館V&Aには1785年頃制作のToby Jugが所蔵されています。

産地としては焼き物が盛んだったスタッフォードシャーで作られるようになり、とても人気となりました。もともとはビールを飲むジョッキだったらしいのですが、実用と言うよりは装飾的なものであるため、小さなものも作られるようになり、ミルクピッチャーや、ディスプレイ用のセットなどへと広がっていったものと思われます。



今回ご紹介するトビージャグは、全体が明るいオフホワイトベースで、赤い花模様が描かれた可愛らしいひとしな。トビー自身も品よくにこやかで、眺めていればこちらまで笑顔になりそうな和やかさで溢れています。ただ、そこはやはりトビーですので、手元にはしっかりとパイプとお酒がはいった丸いマグらしきものを抱えております。うっすらと薔薇色の頬は、やはり少し良い気分になっていらっしゃるのかもしれません。

底面には以下の文字がみられます。


TONY WOOD
STAFFORDSHIRE
ENGLAND


「TONY WOOD」とは、伝統的なトビージャグを始め、カエルのジャグや猫のティーポット、家や暖炉、テーブルの形をしたティーポット等々、キャラクター性の強い陶器を製造していた窯元。1865年に「Thomas Francis Wood/トーマス・フランシス・ウッド」によって「Wood and Sons/ウッド・アンド・サンズ」がスタッフォードシャーで設立されたのが始まりです。1889年にトーマスの息子ハリー・フランシス・ウッドが同社に加わり、世紀の初めまでに会長になりました。20世紀初頭までに、同社は他の窯元を吸収し大きく成長します。

また20世紀初頭にはトビージャグの製造を開始。60年代初頭までに、ハリーの孫であるトニー・ウッドが1000人以上を雇用する公開会社ウッド・アンド・サンズの常務取締役を務めるようになり、70年代後半にはトニー・ウッドが会長兼常務取締役の役割を引き継ぎました。トビー ジャグの生産が最高潮に達し、多くの新しいデザインが導入されたのはこの時期でした。1982年、トニ・ ウッドはエリザベス・キャッパーと協力して「 Tony Wood Studio 1982 Ltd 」を設立。古くからあるトビージャグのデザインを継承しつつ、新しいデザインの品物を沢山生み出しましたが、工場の火災などによるダメージ等があり、1991年までには他社へ売却されることとなります。

この歴史から、このジャグは「トニー・ウッド」が代表者となった1970年代から、同名のスタジオを設立した1980年代頃の製造なのではないかと推測いたします。


ウェッジウッドやスポードのような高級磁器とは異なり、素材感溢れる陶器であるトニーウッドのトビージャグ。表面には全体的に貫入が走っておりますが、それもまた味わいかと思います。



ふんわりと微笑む姿が愛らしい、英国から来たほろ酔いのトビー。
是非お手元で可愛がってみてはいかがでしょうか。





■英国
■TONY WOOD
■主素材:陶器
■推定製造年代:1970-1980年代頃
■サイズ:全体高さ約14.7cm 底面直径約10.8cm 取っ手含む幅約14cm
■カケやヒビは見当たりません。
■全体に貫入がみられます。製法によるものと思われます。
■こちらのお品物は古いお品物です。新品にはない小傷や汚れ等がございます。